スパイバー社「クモの糸」繊維開発。飛行機事故防止、宇宙エレベーターに期待

人工クモの糸を開発

山形発のベンチャー企業、スパイバー(spiber)株式会社がついに人工クモの糸繊維の量産化に成功したそうです。(正確に言うと量産化のための技術)

量産化といっても虫かごでクモを養殖して、そのクモが吐き出した糸をせっせと集めて大量生産・・・のようなアナログ的手法ではありません。

なんでもクモ糸フィブロインを遺伝子レベルで解析して、その糸の元となるタンパク質を培養してと・・・ちょっと専門的すぎてよくわかりません。

まあ要するに人工的なクモの糸を製品化した「QMONOS」ブランドが世に送り出されようとしているのです。

クモの糸について以前からたくさん束ねると強靭な強度を誇る繊維として注目されていましたが、まさか本当に実用化に近づくとは夢のある話です。一方でライバルとなりそうな炭素繊維メーカーは戦々恐々としてそう。

ところで「QMONOS」のブランド名は「クモの巣」から採用されたのは理解できるのですが、なぜ社名が「スパイバー社」なのでしょうか。スパイダー株式会社のほうがわかりやすいと思うんですけど。それとも他社の商標との関係があるのか。

投資家、ベンチャーキャピタルからモテモテっぽい

スパイバー社、今頃ベンチャーキャピタルやら銀行やらから投資(融資)の引き合いが殺到しているだろうなと。投資だけでなく世界中の各国機関から、うちで事業はじめませんか的な誘いも受けているかもしれません。
でも、こういった魅力的な投資案件は基礎研究段階からリスク覚悟で出資しないと遅いんですよね。たぶん。

クモの糸の強さ=飛行機を空中で捕獲

スパイバーのホームページによると、クモの糸繊維は鋼鉄を超える強さ&ナイロン以上の柔軟性を持ち合わせているそうです。そして1cm直径の糸(ホームセンターで売っている一般的なロープくらい)でクモの巣を作れば、飛んでいる飛行機もキャッチできるようです。
これって飛行機事故防止に役立つ予感。

例えば、

空港の滑走路にクモの巣を張っておけばオーバランしたときに受け止めてくれるし、

飛行中にエンジン故障したら、空中に張ったクモの巣に突入して飛行機まるごとキャッチ・・・みたいな

そんな未来が実現するかもしれません。

宇宙エレベーターに期待、さらに月エレベーターも

個人的に一番期待しているのはこれ。宇宙エレベーターの実現。天井からクモが一本の糸を垂らして降りてくる姿を想像してみてください。強靭さと伸縮性を兼ね備えたロープであれば地球と宇宙ステーションを繋ぐ宇宙エレベーターも夢ではなくなります。そして「宇宙エレベーター」が実現したら、次は月と地球を結ぶ「月エレベーター」でしょう。こうして考えてみると「宇宙観光」さらに「宇宙ビジネス」にも大きな貢献をするかもしれない。クモの糸って夢がありますよね。