「安全通貨として円が買われる理由」に違和感がある件

以前からニュースで気になってた「比較的安全とされる通貨、日本円が買われて・・・円高になった」という解説。

この説明にものすごい違和感あります。

現実的なこと言うと「安全な円が買われた」のではなく、

1.世界経済(米国)が不安になって「ドルが売られた(ドル安)」

2.結果的に「円が買われた(円高)」

が正解ではないかと。

通貨ペアは「相対」な関係わけで、どちらかの通貨が上がれば、もう一方は必ず下落します。

例えば以下のUSD/JPY(米ドル円)チャート、

ドル円チャート

ドル円チャートの見方の解説

世界経済への不安や悪い米国経済指標によって

「ドル安(ドル売り)」となれば、相対する通貨ペアの円は「円高(円買い)」しか逃げ道がないわけです。

で、世界経済の不安=日本への不安ではなく米国の不安となるはず。(世界一の経済大国だから)

ドルインデックス指数(先物)

ドルインデックス指数

ドルインデックス指数について

各国主要通貨VS米ドルの強さを現す、ドルインデックス指数が下落(ドル安)すれば、他の通貨(円、ユーロ、ポンド、豪ドルなど)は上昇するわけです。

例えばこんな風に↓円の先物

日本円の通貨先物(CME)

日本円通貨先物

円の通貨先物(Japanese yen future)は円高に動く。

ユーロ通貨先物

ユーロ通貨先物

ドルインデックス(USDX)が下落すれば、(一般的に)ユーロ通貨先物もまた上昇(ユーロ高方向)に動きます。

ユーロVS日本円

ドル安になると「ユーロ」&「日本円」は高くなります。

そして今度はユーロ対日本円(EUR/JPY)通貨ペアの「どちらが強いのか」という戦いがはじまります。

通貨安戦争という見方も

また「通貨安競争」に日本が負けたという考え方もあるかもしれません。

世界中が自国通貨を安くしようと政策誘導すると、

米ドルvs日本円、ユーロvs日本円、中国元vs日本円・・・。

つまり「安全通貨として円が買われた」のではなく、米国やユーロとの「通貨安競争」に負けて円高になった・・・。

という理解もできるのでは。